何年も人が住んでいない状態の建物は、建物の外も内も急速に劣化が進みます。
外部は雑草が生い茂ったり、ゴミの投棄によって虫・小動物が寄ってくることによる建物への被害、内部は定期的な換気をしないことによるカビの繁殖など。また、台風や暴風雨が起こった時のメンテナンスをしないことにより、損傷箇所が拡大したりします。
更に劣化が進んだ建物の屋根や外壁の一部が崩れ、第三者に被害を与えた時は、所有者側に過失が無くても原則として被害者に損害賠償の責任を負います。

「空き家対策特別措置法」では、、建物の劣化が進んだ事による周囲への悪影響や危険性があると判断され、是正の指導に従わない場合、代執行で解体する事ができるとされています(14条)。ただしその前に「空家等の所有者又は管理者は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努めるものとする。」(3条)とあり、まずは自主的な維持管理を行うことが所有者の責務であると定めています。

そういった背景もあり、空き家を「周辺の生活環境に悪影響を及ぼさない」程度の状態に維持するため、空き家管理のニーズが高まってきています。特に遠方に空き家を所有している方からすると、交通費と時間をかけ、自分で空き家のメンテナンスをするよりは地元の管理会社にお願いする方が効率的なので、全国的に空き家管理を請け負う会社が増加しています。

 

メニューと費用について

空き家管理は、その目的によりメニューが決まります。

・行政から指導を受けない=周辺に悪影響を及ぼさないよう、改善もしくは定期的にチェックする、

・近いうちに活用予定なので、いつでも入居できる状態にキレイにしておく。

・現在、比較的キレイだけども、今後が心配なので定期的に状況をチェックしておきたい、など・・。

管理の内容と頻度により費用は変わってきますが、月1回の管理をお願いするものとし、その内容による金額の違いをまとめてみました。ただし、すべての管理会社をチェックしたわけではないので、あくまで目安として見ていただければと思います。

・外観のみのチェック、写真撮影・・・・・・100円~
・室内点検、通風、通水・・・・・・・・・・・・3,000円~
・室内の簡易清掃(モップ等)、建物点検・・・・・・・5,000円~

その他、建物の点検・清掃と合わせて緊急時の対応や郵便物の転送などを対応し、8,000円~12,000円程度のところが多いのではないでしょうか。また、オプションとして、庭木の剪定や廃棄物の処理を行ってくれるところもあります。

 

管理会社の選定について

現在、空き家管理への異業種からの参入が相次いでいます。管理メニューの細分化や競争による価格の低下などが期待できますが、一方で管理のクオリティも相当な開きがあり、特に遠方の不動産管理をお願いする場合、チェックするのも難しい部分があります。依頼する側は、受け取る「管理報告書」でその業務内容を判断するしかありませんので、信頼できる管理会社かどうか、判断のポイントをまとめてみました。実施した業務について、写真や文書でちゃんと知らせてくれるかどうか、がまずは基本です。

《近隣住民への挨拶》
不審者と間違われる可能性もありますので、まずは周辺の住民へ挨拶し、所有者から依頼を受けて管理を行っていること、迷惑をかけていないかなどの状況の確認、更には緊急時の連絡先などを伝えます。また、管理会社を示すため、腕章を付けて作業したり、看板を設置する場合もあります。

《内部作業》
・窓や扉を開放する通風の時間はどれくらいか(月1回なら45分から1時間程度は必要だと思います)。
・水を止めている家屋の場合、管理会社が水を用意し通水チェックをしてくれるか。タンク式トイレのタンク内までチェックしているか。
・窓、扉すべての施錠や破損状況の確認、退去時の施錠確認。
・室内の状況確認(雨漏りや不審者の侵入跡がないかのチェック)。

《外部作業》
・外壁や屋根、バルコニーの手すりなど、劣化状況や危険性がないかの確認。
・排水溝や庭などにゴミや雑草が溜まっていないか、不審者の足跡やタバコの吸殻などがないか。
・フェンスや植木など、隣地に越境しているものはないか。
・郵便受けにチラシなどが溜まっていないか(放火の危険性あり)。

 

最後に

空き家は所有しているだけで、税金だけでなく様々な維持費用がかかります。また、放置によるリスクや資産価値の低下も招きますので、所有者ご本人が使用する予定がなくとも、第三者に居住・利用していただく事は「空き家管理」という観点から考えても有効な対応だと思います。「0円リノベ」では所有者のコスト負担なく居住用として貸し出し、転貸終了後はリフォームされた建物が戻ります。ぜひ一度ご検討下さい。